東京民謡倶楽部/徳島公演

津軽三味線の小山豊さんが主宰する東京民謡倶楽部の徳島公演が6月30日(日)、あわぎんホールで行われました。小山さんより、結成に向けた想いを聞いたのは2021年。「私たちの日常生活に最も密接な大衆音楽である民謡を、より身近にしてゆきたい…そして集結してくれたすごいメンバーと演奏のチャンスをつくってゆきたい」というお話を伺い、ワクワクしたことを覚えています。

またメンバーのアーティストの皆さんは、音楽ジャンルに囚われることなく、音楽の価値と演奏上の共感を求心力に活動されている素晴らしい方々ばかり…いつか機会をつくることでお手伝いができたらと考えていました。

地域のアイデンティティでもある民謡を事業として採り上げたいという3か所の公共ホールの皆さんにご賛同をいただき、連携事業として実施されることになりました((一財)地域創造 地域の文化・芸術活動助成事業・連携プログラム)。

その第一弾が徳島公演でした。東京民謡俱楽部の活動趣旨を実現するべく、広報やワークショップ実現に向けて尽力して下さったあわぎんホールの事業ご担当の方々に頭が下がるばかりです。

公演前日には「みんなで楽しむ「民謡ワークショップ」!」と題し、“民謡を学ぶのではなく、楽しむためのワークショップ”が行われました。参加希望者は各自で自由に楽器を持参いただき、ワークショップの成果を本番で東京民謡倶楽部メンバーと共に披露する…というものです。さすが阿波踊りの本場だけあって、三味線や笛を持参した参加者の皆さんはアッと言う間に、共演曲の富山民謡「こきりこ節」をマスターされました。

本番では、客席と舞台が一体となって大盛り上がりの中、「こきりこ節」の共演は大成功。徳島民謡の「木頭音頭」でとりわけ熱い拍手をいただき、「ぞめき」の演奏が始まると、自然発生的に客席で踊ったり客席通路を踊りまわる方がいたりと、「これが民謡公演のあり方なんだろうなぁ!」と感動を覚えた次第です。民謡が地域に生きている徳島だからこそとは言え、今後の民謡との取り組み方について深く考える契機となりました。

11月9日(土)が神奈川県茅ヶ崎公演、2025年3月2日(日)は愛知県春日井公演となります。

地域ごとに異なる文化的背景や特色を受けとめ、徳島公演で生まれた一体感の再現に努めたく準備を重ねてまいりたく思っています。

▶当日プログラムはこちらです。